SSブログ

映画「しまじろうと えほんのくに」鑑賞記 [しまじろう]

「みみりん・・・、知ってる?えほんはめでたしめでたしで終わるんだよっ!」

おはようございます。本日もご来訪くださり、誠にありがとうございます。いきなり失礼いたしました。

昨日、映画「しまじろうと えほんのくに」が公開されました。

しまじろうとえほんのくに(2016年3月11日).jpg


冒頭の台詞は、映画の中で私こと不肖讃岐人が最も印象に残った台詞でした。今回は観に行った劇場の話と映画の感想です。後半部分は内容にかかわる部分がありますので、映画を見るまであらすじを知りたくない方はご注意ください。

観に行った劇場は、東京都府中市にある「東宝シネマズ 府中」です。

東宝シネマズ府中(2016年3月11日).jpg


平日なので、午後3回のみの上映です。土曜や日祝は午前もあるようです。

東宝シネマズ府中番組表(2016年3月11日).jpg


使用スクリーンは「プレミアスクリーン」、椅子が大きく、また、通路が広いうえに、各座席にはサイドテーブルもあるプレミアムなスクリーンです。こどもたちが歌って踊るのに十分な広さがあるので安心でした。(府中以外の劇場での座席の状態については、各劇場にお問い合わせください。)

入口付近にはレストエリアがあり、座席表もありました。

東宝シネマズ府中プレミアムスクリーン(2016年3月11日).jpg


チラシはすでに無くなっていました。そんなにたくさんはチラシを置いていなかったのかもしれません。

注意書きはこんな感じでした。こどもが歌って踊れる映画ですといった内容でした。

東宝シネマズ府中おしらせ(2016年3月11日).jpg


グッズは、パンフレットなどは無く、「なないろネットショップ」などで通常扱っているような「しまじろうのわお!」の番組グッズがほとんどでした。ただし、「プニたんぬいぐるみ」と「クリアファイル」は映画専用のようです。(クリアファイルは「しまじろうと おおきなき」同様に在庫がある限りネットショップ等で売り続けそうですが。)

府中では、「プニたんぬいぐるみ」、「クリアファイル」、「メモ」、「ばんそうこう」、「レジャーシート(1人用)」、「キーホルダー」、「プラコップ」が置いてありました。映画を観にいらっしゃった皆さんはよくご存じのようで、「プニたんぬいぐるみ」だけが飛ぶように売れていました。

さて、ここから感想です。ここからは内容に関する記述がありますのでご注意ください。

物語はしまじろう君がまだずっと小さかったころから始まります。

しまじろう君のもとに、ある絵本がやってきました。その絵本は、「トロッコ」や「ふしぎなもり」に「おかしのむら」、「ぺらぺらのまち」、そして仲の良い王様と女王様が暮らす「えほんのくに」のことが書かれた絵本でした。

ところが、えほんのくにの住人は色を巡っていつもケンカばかり。王様の持つ「まほうのえのぐ」で仲直りするのですが、王様は絵の具できれいな色を作ることができないので、女王様が色を作ってあげて、二人で協力してケンカをおさめていました。

そんな王様と女王様もよくケンカをしてしまいました。その日も絵本へのらくがきのことでケンカしてしまいました。しまじろう君のところに来る前に、絵本にはらくがきがされていて、それがいやで王様は前の持ち主の子のところから絵本をしまじろう君のところへ移したのです。女王様はその子がとても気に入っていて、らくがきも大好きだったのです。

女王様はしまじろう君にもらくがきをするよう、王様のまほうのえのぐを渡しました。しまじろう君は前の持ち主の子が書いた「プニたん」に目と口を加えて、王様と女王様がケンカしたら知らせるようお願いしました。

王様と女王様はしまじろう君に二度とケンカしないことを誓い、お礼にしまじろう君にともだちを作るとっておきの言葉を教えてあげました。

そして、しまじろう君がともだちになったのは、とりっぴい君でした。ちょうどはなちゃんが産まれて間もなく、お母さんがはなちゃんにかかりきりで寂しい思いをすることが多く、そんな時は絵本の中に遊ぶことで気を紛らわせていたしまじろう君も、とりっぴい君と遊ぶことが多くなりました。そして、みみりんちゃんやにゃっきいちゃんたちも加わった仲良し4人組で遊ぶようになると「えほんのくに」のことはすっかり忘れてしまいました。(はなちゃんの教材での登場時期(ぽけっと)と、とりっぴい君の登場時期(ほっぷ)とを考えると、その前にみみりんちゃん(「ぷち」で登場)と会っているのですが、男の子と女の子ですから、遊ぶ内容も好みも違うのでしょう。また、年齢でも好みは異なるのでしょう。このシーンでは、しまじろう君のおもちゃ箱が、はじめはぬいぐるみが多いけれども、とりっぴい君と付き合うようになってからはロボットや乗り物といった男の子らしいおもちゃが多くなるという変化で象徴的に描かれていました。)

実はこの絵本には心があり、えほんのくにの王様は、ケンカが嫌いな絵本の心の声である「えほんの声」から、「こどもたちにはきれいなものしか見せなたくない」からこれ以上ケンカをすると女王様と引き離すと警告を受けていました。ケンカの原因はこどもたちに会うことにあると考えた王様は、こどもたちと会うことをやめようと思いました。さらに、しまじろう君が絵本のことを忘れてしまったように思い悲しむ女王様を見て、王様は女王様がこれ以上悲しい思いをしなくて済むように、しまじろう君のもとを去り、以後はこどもたちのところに行くことをやめる決心をしました。

ところが、こどものところへ行かなくなることを巡って、二人はまたけんかしてしまいました。

そのため、「えほんの声」により、「えほんのくに」のページは固く閉じられてしまいました。

絵本はしまじろう君のお母さんに拾われ、ガオガオさんは修理を依頼されました。

ある日、ビーチにしまじろう君たちと遊びに行ったガオガオさんは、絵本をそばに置いたまま熟睡してしまいます。しまじろう君たちがガオガオさんを呼ぶためにそばに寄ったとき、しまじろう君は絵本に気づきました。その時、突然みんなは絵本の中に吸い込まれてしまいました。

吸い込まれた先はトロッコでした。とりっぴい君がブレーキを外してしまったため、トロッコは暴走を始め、最後にしまじろう君たちは投げ出され谷川に落ちてしまいました。気を失っている間に見た夢で、しまじろう君は絵本のことを思い出しました。そして、目が覚めたときそばにプニたんがいました。

ガオガオさんは絵本のページをのぞいて中に入ろうとしますがうまくいきません。とりっぴい君だけが空を飛ぶことで絵本の外に出られるようでした。そこでとりっぴい君は一人ずつ外に送ることで絵本から外に出ることを提案します。

しかし、しまじろう君は拒否します。なぜなら、プニたんがいるということは、えほんのくにに何か起こったに違いないからです。

プニたんとともに「えほんのくに」のページを目指すことにしたしまじろう君を、にゃっきいちゃんとみみりんちゃんも手伝うことにしました。とりっぴい君は、危なくなったらすぐに冒険を中止し、絵本の外にみんなを連れ出すことを条件についてゆくことにしました。

この時、河原でにゃっきいちゃんはまほうのえのぐを拾いました。王様と女王様が最後にケンカをした時、まほうのえのぐは絵本の中に散らばってしまっていたのです。

こうして、絵本のページを巡り、散らばったえのぐを集め、「えほんのくに」のページを目指す冒険が始まったのでした。

この後、不思議な森でダンスをしたり、おかしのむらでマカロンおばさんに会ったり、ペラペラのまちでクイズをしたりして、えのぐを集め、ついに「えほんのくに」のページにたどり着きました。

えほんのくにのページは固く閉じられているため、天井の出口が見当たりません。しかも住人であるくろりんとしろりんたちの話によると、王様と女王様はまだケンカしたままだということでした。とりっぴい君は危険な状況だから前のページに戻って帰ろうと提案し、えほんのくにを救うことを主張するしまじろう君とケンカしてしまいました。しまじろう君にとって、この絵本はとりっぴい君をともだちにしてくれた大切な絵本なので、譲るわけにはいかなかったのです。しまじろう君は、とりっぴい君がその事を忘れてしまっていることを悲しく思いました。

とりっぴい君は出口を探して飛び立ってしまい、プニたんはその後を追いました。しまじろう君は王様と女王様を仲直りさせるために駆け出しました。くろりんとしろりんは見せかけのケンカをすることで、以前のようにくろりんとしろりんを仲直りさせるために、王様と女王様が協力することを期待して、その準備を始めてしまいました。みみりんちゃんはみんながバラバラになってしまうことを悲しみ、にゃっきいちゃんに答えを求めますが、にゃっきいちゃんも思わずきつい言葉を返してしまいました。

泣きそうになったみみりんちゃんを見て冷静さを取り戻したにゃっきいちゃんが言ったのが、冒頭に紹介した台詞でした。この「えほんはいつもめでたしめでたしでおわる。」という言葉は、冒険がはじまったころ、壁にぶつかるたびにみみりんちゃんがみんなに言っていた言葉でした。

この言葉で元気を取り戻したみみりんちゃんは、にゃっきいちゃんと一緒に、自分たちでできることでしまじろう君や「えほんのくに」を助けることにしました。

ところが、くろりんたちとしろりんたちの「偽装ケンカ」計画は、「秘密兵器」の暴発により本当のケンカに発展してしまいました。出口を探して飛び回るとりっぴい君に、プニたんはしまじろう君と仲直りするよう勧めますがとりっぴいは拒否します。その時、プニたんは変な顔を作りました。その顔を見たとりっぴい君は、絵本やプニたんのこと、そしてしまじろう君とともだちになった時のことを思い出したのでした。絵本ははじめはとりっぴい君のもとにあり、次にしまじろう君のもとへ行ったのでした。だから、プニたんは、とりっぴい君としまじろう君の二人で描いたらくがきだったのです。

同じころ、しまじろう君はくろりんとしろりんのケンカに巻き込まれてしまっていました。秘密兵器から放たれたえのぐ弾がしまじろう君に命中しそうになった時、プニたんがしまじろう君の盾になりしまじろう君を守って弾を受けてしまいました。プニたんはえのぐを吸って大きくなり、泣き出してしまいます。でもプニたんの涙で洗われたみんなは正気を取り戻し、ケンカをやめることができました。

ところが、「えほんの声」はケンカをまだ行っている者がいると宣告し、えほんのくにに罰を与えると称して絵本を潰し始めました。迫ってくる天井をプニたんが支える間に、しまじろう君はまほうのえのぐを王様に届けようとしますが、しまじろう君の足では時間がかかりそうです。そこへとりっぴい君が飛んできて、自分が飛んで届けると言い、しまじろう君から絵具を奪うようにして受け取り王宮へ飛んでゆきました。そして王様にえのぐを渡し、しまじろう君が絵本の事を忘れていなかったこと、女王様が王様のことを待っていることを伝えました。

王様はとりっぴい君と一緒に、しまじろう君たちのところへ駆けつけました。女王様は王様にケンカを一時中断すようと言いましたが、それを聞いたくろりんが王様から口止めされていたこと、それはケンカすると女王様と引き離されてしまうこと、王様は女王様と一緒にいたかったこと、女王様と離れたくないからこどもたちと会わないことにしようとしたこと、その全てを女王様に言ってしまいました。

王様の本当の気持ちを知った女王様は、王様と一緒に虹色のえのぐを作り、しまじろう君ととりっぴい君は王様の指示で、そのにじいろの絵具を使って大きな風船を描き、しあわせの呪文「ポンクルトン」の声で大きく膨らんだ風船が「えほんの声」が閉じたページを押し開きました。

「えほんの声」は去り際に「さっきまでケンカしていた者が、どうしてそんなに力をあわせられるのか?」と言いました。それに対してみみりんちゃんとにゃっきいちゃんは、「ケンカってわるいことだけじゃないの。」「ケンカをしても、もっと仲良くなっちゃうこともあるんだよ。」と答えてあげました。

えほんのくにの人々に見送られながら、しまじろう君は「いろんなことをを忘れてもいいけど、ひとつだけ覚えていてほしいんだ、とりっぴいと友達でよかった。」ととりっぴい君に心の中で呼びかけました。そして、帰ったらすぐにサッカーをしようととりっぴい君に言い、とりっぴい君もサッカーをすることに賛成しました。女の子たちは、そんなふたりにあきれながらも、ほほえましく思ったのでした。

以上があらすじです。

私、今回の映画には戦慄を覚えました。

とりっぴい君としまじろう君の友情やみみりんちゃんやにゃっきいちゃんの勇気など、感銘を受けたシーンは沢山ありました。その中で最も印象深かったのは、王様と女王様のことです。

「えほんのくに」の王様と女王様のお話ではありますが、これは「しまじろう」のコンテンツの宿命的なことについて扱っているように思いました。「こどもちゃれんじ」にしても「しましまとらの しまじろう」にしても、こどもに向けて語られている以上は、こどもたちは必ずそこから離れてゆきます。

しまじろうのお友達はどんどんコラショに誘われて小学校に上がってゆきますが、しまじろうたちは永遠に幼時のままです。

PP&Mの"Puff, The Magic Dragon"ではありませんが、ドラゴンはいつまでもドラゴンですが、少年は大人になってしまうのです。いや、ならなければならないのです。

しばらく前の「しまじろうのわお!」のお話「およめさんは だれだ?」の感想でも申し述べました通り、こどもはいつかは親の元を離れなければならないのです。

「すてきなワンダーランド」の歌詞の中に「いまは ゆめだけみてても いいでしょ」とあります。こどもたちに夢を届けるお仕事、そのひとつがアニメーション制作なんでしょう。でも、やがてはこどもたちは大きくなり、特に「しまじろう」のように幼児を主な対象としている作品は、少し大きくなったこどもからも「幼稚」などと言われてしまうこともあります。

もちろん、新たな世代が育ち、その人々が喜んで観てくれるでしょうが、その前にはこれまで喜んでくれていたこどもたちとの別れがあります。

そこで立ち止まってしまうか、それとも、別れの寂しさを抱きしめながらも、次の子に向けて歩き出せるか、自分たちはしまじろうとともに、こどもたちのために歩き続ける。また、「きれいなものだけ」見せるのではない。そういった決意を感じさせてくれました。

そういう意味で、「えほんは いつもめでたしめでたし」でなければならない、そのように思いました。

「しまじろうと えほんのくに」は「しまじろうのわお!」の映画としては4作目です。物語の構成は、「しまじろうと フフのだいぼうけん」のような、実写とアニメを織り交ぜた、全編でストーリーを紡ぐ形式になっていました。そのため、実写パートとアニメパートを全く違う内容にしていた前2作にあった、ストーリーがやや駆け足になってしまっていた感じは無くなっていました。見事なものです。

こどもたちも、お話がスムーズに流れることで、歌やダンス、クイズといったキャラクターたちとの掛け合いを自然に楽しめていたようでした。大人は大人の視点で、こどもはこどもの視点で、それぞれ楽しめるお話でした。こどもたちがお父さん、お母さんと話をしている内容を聞くとは無しに聞いていたのですが、みななかなか鋭い視点を持っていて、さすがだなぁ、と思いました。

こどもの真贋を見抜く目は大したものです。大人は見栄やしがらみから見たいように見てしまいがちです。本物なればこそ、こどもも夢中になるのだなぁ、と思いました。

小さなお子さんのいらっしゃるご家庭のみなさまだけではなく、大勢の方々に観ていただきたく思いました。

さて、今日は土曜日、「しまじろうのわお!」の日です。こちらの方の感想は、また後日お話ししようと思います。

最後に、おわびとお願いです。

ただいま皆様のブログを訪問できたりできなかったりしております。訪問できる時に読ませていただきますので、よろしくお願いします。その際、まとめて読めた記事それぞれにniceをつけることがございます。その際は履歴が複数残りますのでご了承ください。

それでは!!

しまじろうとえほんのくに(フィナーレ).jpg


2016年3月19日1310 記事修正
nice!(149)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 149

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。